ハーブチンキとは、ハーブの有効成分をアルコールでじっくり抽出した液体のことです。お湯では溶け出しにくい成分までしっかり引き出せるうえ、長期保存(冷暗所で約1年)ができるのが魅力です。今回は、初心者の方にも扱いやすく、日々の暮らしに取り入れやすい人気のハーブ4選と、個人的にお気に入りのハーブ、基本の作り方や使い方をまとめました。

目次
チンキに人気のハーブ4選
ラベンダー(リラックス・万能ケア)

心を落ち着かせる香りで、安眠のサポートにぴったりです。肌の鎮静作用もあると言われており、手作り化粧水や入浴剤など幅広く活躍してくれます。
カモミール(保湿・温め)

甘いリンゴのような香りが特徴です。保湿効果が高いとされ、乾燥肌や敏感肌向けのスキンケアに人気があります。冷えが気になる季節は、お風呂に垂らして使うのもおすすめです。
ローズマリー(リフレッシュ・ヘアケア)

すっきりとした香りで、集中力を高めたいときのルームスプレーに向いています。「若返りのハーブ」とも呼ばれ、頭皮ケアのローションとしてもよく使われます。
カレンデュラ(スキンケア)

抗炎症作用や皮膚を整える働きがあると言われ、荒れた肌や乾燥によるかゆみ、ニキビ跡、軽い日焼けのケアに使われることが多いハーブです。ビタミンEやカロテノイドを含み、保湿や抗酸化のサポートも期待できます。
【個人的おすすめ】ローズゼラニウム(虫よけ・リラックス)

バラに似た優雅で甘い香りが特徴の、ゼラニウムの仲間です。自律神経やホルモンバランスを整えると言われるほか、虫よけ効果も期待できるので、お風呂に数滴垂らしたり、ルームスプレーや夏のボディスプレー(保湿&虫よけ)として使うのがお気に入りです。
↓虫よけについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています
基本のハーブチンキの作り方
チンキはフレッシュハーブでも作れますが、水分を含む分カビの心配があるフレッシュハーブより、初心者にはドライハーブを使うのがおすすめです。庭で育てているハーブなら、収穫して洗ってから乾燥させて使うこともできますし、市販のドライハーブを使えば手軽に作れます。
材料・道具
- ドライハーブ:10〜30g
- アルコール度数40%以上のお酒:100ml(ウォッカやホワイトリカーなど、無臭のものが最適です)
- 密閉できるガラス瓶:あらかじめ熱湯消毒して乾かしておく(ジャムの瓶などを捨てずにとっておくと便利です)
- 保存用の遮光瓶:完成したチンキを入れる用(スポイト付きが便利です)
作り方
① 漬け込む:消毒済みのガラス瓶にドライハーブを入れ、ハーブが完全に浸るようにアルコールを注いでフタをします。
② 抽出する(約2週間):直射日光の当たらない冷暗所で保管します。成分がよく出るよう、1日1回、上下を返して混ぜ合わせます。
③ 濾す:約2週間後、液体に色がついたら、コーヒーフィルターや茶こしを使ってハーブを濾します。
④ 完成:抽出液を保存用の遮光瓶に移し替えたら完成です。冷暗所で約1年保存できます。
ハーブとアルコールの比率は、1:10くらいが初心者向けで失敗しにくく、日常のスキンケアにも使いやすいマイルドな仕上がりになります。決まった規定はありませんが、フレッシュハーブはドライハーブより水分を多く含む分、やや多めに入れると成分が抽出されやすくなります。作り慣れてきたら、使うハーブや肌の状態に合わせて比率を調整してみてください。
チンキの使い方

- 入浴剤:お風呂に5〜10滴ほど垂らす
- ルームスプレー:精製水で10倍以上に薄める
- 化粧水:次の章で詳しくご紹介します
チンキは成分が濃縮されているため、原液のまま肌につけたり、飲んだりせず、必ず薄めて使ってください。
手作りハーブチンキの保湿化粧水
手作りハーブチンキを使った、しっとり保湿化粧水の作り方をご紹介します。グリセリンを加えることで、アルコールによる乾燥感をカバーし、しっとりとした使い心地に仕上がります。
材料(約100ml分)
- ハーブチンキ:5〜10ml(全体の約5〜10%)
- 植物性グリセリン:3〜5ml(全体の約3〜5%。乾燥が気になる場合は少し多めでもOK)
- 精製水:85〜90ml(薬局やドラッグストアで購入できます)
- 保存容器:スプレーボトルやポンプ式の遮光ボトル(あらかじめアルコール消毒したもの)
作り方
- 保存容器をあらかじめアルコール消毒するか、熱湯消毒してしっかり乾かします。
- 容器にハーブチンキと植物性グリセリンを入れ、軽く振ってなじませます。
- 精製水を注ぎ入れ、フタをしてよく振り、全体を均一に混ぜ合わせたら完成です。
使用上の大切なポイント
- 使用期限の目安:防腐剤無添加のため冷蔵庫で保管し、約2週間〜1ヶ月以内に使い切ってください
- パッチテスト:肌に合うか心配な場合は、腕の内側などに少量をつけて、赤みやかゆみが出ないか必ず確認してから使用してください
- 使用時の注意:植物アレルギーのある方や、肌が敏感な時期はご注意ください
ドライハーブとフレッシュハーブ、作り方の違い

効能としてはどちらも大きな差はないと言われていますが、作り方や仕上がりにはいくつか違いがあります。
ドライハーブは、市販のものを使えばすぐに作れて、余分な水分が抜けている分、有効成分を抽出しやすいのがメリットです。カビの心配もなく、初心者でも失敗しにくいのも安心なポイントです。ご自宅で育てている場合は、乾燥させるまでに数日かかり、そこから仕込むため使えるようになるまでの期間はやや長くなります。
フレッシュハーブは、乾かす手間がないので収穫したその日に仕込めるのが魅力です。ただし水分をしっかり拭き取らないとカビの原因になるので注意が必要です。フレッシュならではの、青々とした香りに仕上がるのも特徴ですが、この香りは好みが分かれるかもしれません。
過去に作ったチンキの香り、個人的な感想
ローズマリーは、フレッシュで作ったチンキがかなり青々しい香りでまったく違うもののようにに感じました。その後乾燥したものでも作りましたが、青々しさは減ったもののこれもローズマリー感が少ししか感じられずあまり得意ではありませんでした。精油も持っていますが、これもまた独特な香りに感じて、初めて嗅いだ時は間違えて買ったかな?と思ったほどでした。あくまで私個人の感じ方ではありますが、ローズマリーはフレッシュそのものや、それを使ったハーブティーやお湯で煮出して作るスプレー、サシェとして、オイルやアルコールで加工せずに楽しむ方が好みだということがわかりました。
アルコールやオイルの持つにおいとの組み合わせもありますが、ローズマリーは特に品種によって抽出される成分や香りの立ち方の違いが顕著に出るハーブです。ラベンダーやゼラニウムのチンキをフレッシュで作ってみたときは、アルコール感はありますが好みの香りに仕上がりました。香りの感じ方も個人差があるので、私と違う印象を持つ方もいると思います。
ハーブから効果を得るためにいろいろとクラフトして使ってみましたが、リラックス効果も含めて、香りが自分の好みに合っているということも大切だと感じています。作り方や種類によって香りの感じ方も変わってくるので、肌に合うか、香りが好みに合うかで選んでみてください。
気になること、まとめてみました(FAQ)
Q. チンキは飲んでも良いですか?
A. チンキを料理やお茶に入れて楽しむ方法もありますが、この記事でご紹介しているのは、主に肌に付けたり香りを楽しむための使い方です。ハーブの中には経口摂取に適さないものもあるため、飲用は控えて、入浴剤やスプレー、化粧水など外用としてお楽しみいただくのがおすすめです。
Q. 妊娠中でも使えますか?
A. ハーブの種類によっては、妊娠中の使用が推奨されないものもあると言われています。心配な場合は、使用前にかかりつけ医にご相談ください。
Q. チンキや手作り化粧水の保存期間はどれくらいですか?
A. チンキ原液は冷暗所で保管すれば約1年が目安です。ただしチンキを使って作った化粧水は保存料が入っていないため、冷蔵庫で保管し、約2週間〜1ヶ月以内に使い切ってください。
Q. お酒のアルコール度数が40%より低くても代用できますか?
A. 度数が低いと水分量が多くなり、雑菌が繁殖したりカビが生えたりするリスクが上がるため、40%以上のものを使うのがおすすめです。(※ローズマリーの場合はアルコール度数が高い無水エタノールなどで作ると鮮やかなグリーン色、40%程度のウォッカなどで作ると茶色に近いチンキになります。グリーン色のものは光感作性があり、使用後に紫外線に当たると肌トラブルを起こしやすいため、体に使う目的なら40度程度のアルコールで作るのがおすすめです。)
まとめ
ハーブチンキは、材料さえ揃えば漬けて待つだけで作れる、初心者にも挑戦しやすいハーブクラフトです。入浴剤やルームスプレー、手作り化粧水と使い道も広いので、気になるハーブから試してみてください。
チンキを作るのはハードルが高く感じる方には、市販のアロマオイルでも似たような楽しみ方ができます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。↓
アルコールに敏感でチンキの化粧水が使えない方には、次のような方法もおすすめです。
- 濃いめのハーブティーを作る:ポットにドライハーブを入れてお湯を注ぐか、フレッシュハーブをお湯で数分煮出し、しっかり冷やしてから化粧水として使います(冷蔵保管で3日程度を目安に使い切ってください)
- ハーブオイル(インフューズドオイル):キャリアオイルにお好みのドライハーブや、フレッシュハーブを漬け込んで作るオイルを、スキンケアに取り入れることもできます。詳しくは「ローズマリーでヘアケアアイテム作り」の記事もあわせてご覧ください。
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